腎臓の機能が悪いと言われたら
腎臓の機能が悪いと言われたら
健康診断の結果を見るときは皆さん緊張することと思います。かくいう私ももちろん緊張します。健康的な生活が大切なことはわかっているのですが、医者の不養生とはよく言ったものです・・・。異常な結果があったらとても不安になりますよね。当院では腎臓や尿検査の異常を言われたときに、それが様子をみていてよいものなのか、何か対応が必要なのか、今後心配されることは、などを確認することができます。
クレアチニン(Cr、Cre)とは?
採血検査を行ったときに、腎臓の機能の項目にはBUNやCrなどの検査項目が並んでいます。その中で最も重要なもののひとつがクレアチニンです。クレアチニンとは筋肉で産生される老廃物です。腎臓は血液をろ過して老廃物を尿へ捨てる仕事をしています。食事は日々変化しますので、食事の内容によって老廃物の量が増減するため、単純に腎臓の機能をみることはできません。一方でクレアチニンは筋肉量が変化しない限り一定の量ですので、腎臓がしっかり老廃物を捨てられているか目安にしやすいのです。腎臓の機能が弱くなってくると老廃物が捨てられなくなりますので、クレアチニンが血液に溜まってしまいます。そのためクレアチニンが高ければ高い程、腎臓の機能が弱っていることになります。
腎臓の機能が悪いとはどういうことか
通常は腎臓の機能が悪いと言われた場合、クレアチニンの値が高かったということが多いです。筋肉の量は個人差がありますので、年齢、性別とクレアチニンの値から、だいたい腎臓の機能がどのくらいかを推測することができ、推定腎機能(eGFR)と言われます。男性、女性の大まかな表を下に示しますので、御自身の検査結果からどのくらいの腎機能になるかをみてみてください。この数値は糸球体ろ過量といって、1分間に何ml腎臓でろ過を行っているか、という数値になりますので、ml/分という単位になります。正常は60-120ml/分ですが、その意味から低い方が問題になります。正常を100ml/分として、80ml/分であればおおよそ80%、という風に考えていただいてもよいと思います。年齢などで自然に低下してくることもありますので、60%以下になると要注意です。45%を切ると腎臓がかなり弱っていますので様々なことに注意する必要があり、10%以下になると腎不全状態ですので、様々な症状が出現してきて治療として透析が必要になってきます。この推定は年齢、性別からだいたいの筋肉量の平均を想定して計算しますので、とても筋肉量が多い方はみかけ上、腎臓の機能が悪くなることもあります。その場合には実際に尿に捨てられている老廃物の量を測ったり、シスタチンCなど他の腎臓の機能を調べる検査を行い正確に腎臓の機能を測ることができます。
男性の推定腎機能(eGFR)ml/分
女性の推定腎機能(eGFR)ml/分
投稿:鶴田悠木
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