往診に行って思ったこと

往診に行って思ったこと

今までずっと大学病院や公立病院で勤務していまして、地域医療へ貢献すべく研鑽を磨いておりました。しかしやはり専門の医師として、病院で診察をすることが中心になっていました。その時に感じていたのは治療はお薬を飲んだり、病院で処置することだけではなく、食事療法や運動療法など生活の中にあるものということです。今回普段診察している方が具合が悪くなって通院が難しいということで、お家へ伺って診察させていただきました。お薬をきちんと内服しているかだけではなく、転んでしまうようなリスクがないかなど、病院で診させていただいているだけではわからないことがたくさんあると感じました。

また病院での予約外来では、”風邪をひいてしまって具合が悪いので、予約を変更したい”というご連絡をいただくことが少なからずありました。具合が悪い時こそ病院へかかるのが本来ですが、来院して、受付をして、検査をして・・・待ち時間も長かったりした場合、逆に具合が悪くなってしまう、という思いも理解できます。もちろんとても具合が悪い場合には救急車や救急医療があることで、病院が果たしている役割は非常に大きいと思います。一方でこのぐらいで救急外来に行くほどでは、というときに病院は受診するのが大変、というのも仕方がないのかもしれません。

私は現在、クリニックでの診療と、健康長寿医療センターでの診療を行っているので、気軽に受診できるクリニックと、専門的な治療ができる総合病院での診療ができることに感謝しています。また今回往診を経験して、病院の外来や透析の治療の合間、他の先生がフォローしてくれる時にしか行けないのですが、具合が悪い時は伺いますよ、と言えるようになったことがうれしいです。

投稿:鶴田悠木

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